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市民団体としての自治体

2010年11月5日 金曜日

昨日はジャーナリストの高野猛さんを講師にお迎えして政経セミナーを開催した。

厳しい経済情勢の折りに大枚をはたいてセミナーチケットを購入をしていただいた方々には大変感謝である。

さて、地方自治の現場が近年大きく揺らいできている。改革派知事と呼ばれた方々が出現してきた10年ほど前からであろうか。機関委任事務の問題などが取り上げられ国と地方のあり方がクローズアップされてきた。

しかし最近は実際に自治体の現場で首長と議会の対決が起こってきた。名古屋市の河村市長や阿久根市の竹原市長などが住民の支持を背景に議会と対立し自治体運営を行っている。特に河村さんは圧倒的な支持を背景に名古屋から日本全体の地方自治のあり方を変えようとしている。

岡部一明著「市民団体としての自治体」という本がある。高野氏が帯広市市長選挙の時に地方自治を勉強する上で参考にすべきと示した本である。著者の岡部先生は愛知東邦大学経営学部の教授。現職の前はカリフォルニア大学バークレー校で学びサンフランシスコ在住のジャーナリストとして活躍していた方だ。

アメリカには自治体の無い地域が面積の大半を占める。約1億人が市町村の無い地域で生活をしている。無自治体地域では、行政サービスは通常、州の下部機構である郡によって提供される。

私は驚いた。アメリカには一回しか行ったことがないのでアメリカの自治体制度について知識が足りないのは否めないが自治体に対する考え方が根本的に違うのである。最低限のサービスは郡が行いそれでもなお市民が必要であれば自治体を作り、いらなくなれば廃止をすればよいのであり最初から必要はないのである。アメリカには約8万7000の地方政府がある。連邦政府と50の州政府に加えてこれだけの地方自治体がる。自分たちが市町村を作ることで郡政府以上のサービスを享受できるまたは郡政府の法律では支障が出るので新たに自治体を作って決まりを変更する必要がある時などに住民が発議して自治体を作るのである。

初めから自治体があってサービスを提供しているわけではない。十勝で言えば最初に農家が移住してきて開拓を行い人口が増えるにつれて警察や消防、または上下水道などのサービスが必要となり自治体が作られていったと思う。

アメリカでは今でも自治体が発足している。住民は自治体を作ることにより税金がかかるけれども例えば簡易裁判所が出来ることで訴訟のために遠くまで行かなくてすむようになるなどメリット、デメリットを考慮して投票する。そして新たに自治体が出来るのである。

いま地方自治のあり方が問われている中